カトウハルアキ『夕日ロマンス』
- 作者: カトウハルアキ
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2007/07/12
- メディア: コミック
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真っ黒な改造制服に身を包み、ハイテンションで弟に遠まわしなアプローチを仕掛ける姉・ユウと、彼女を取り巻く友人・家族の物語。
これは良いヘンタイアネモエマンガデスネ。所々で不意打ちのように襲いかかるユウの行動がツボにはまる。
弟のヒロに脱がされるという妄想で鼻血を出すというムッツリさとか。
夢の中でヒロとのイケナイ行為を見て、目が覚めたらやはり鼻血を流していたところとか。
一緒に下着売り場に行き黒いパンツを買おうとするユウと、お前にはまだ早いと白を薦めるヒロとのやりとりとか(結局黒を買うところがまた笑える)。
変態を変態に見せるための直接的な変態的行為とは違い、遠まわしな行為なのになぜかこうグッとくる変態性は読んでいて楽しい。
つまりそれだけこの漫画におけるユウというキャラの魅力は大きいわけで、それゆえに最初から最後までユウを中心とした遠まわしな変態的アプローチ全開の漫画にして欲しかったのだが、後半はどちらかというとサブキャラにスポットが当たっているために、個人的には少し不満が残る。全1巻という分量で全てのキャラにスポットを当てようとするのはやはり無理があるだろう。いや、決してサブキャラに魅力がないわけではなく、これがもし3巻以上での構成ならそれもアリだろうとは思う。けれどもこの分量ならば、やはり最初から最後までヘンタイアネモエのまま突き進んで欲しかったと切望したくなる。
いろいろと惜しい所はあるが、漫画はいかに魅力的なキャラクターがいるかどうか、ということを教えてくれる良い例である。とりあえずもう一度じっくりと読んでみることにする。